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Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』感想(ネタバレあり)〜ラストの一刺しにすべてを収斂させたソリッドな演出力〜

Netflixオリジナル映画『マ・レイニーのブラックボトム』ネタバレを含めた感想です。ブルースの女王としてワガママ放題のヴィオラ・デイヴィスと、陽気で口八丁手八丁なチャドウィック・ボーズマンアカデミー賞級の熱演!

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<作品情報>

原題:Ma Rainey’s Black Bottom
製作年:2020年
製作国:アメリ
日本配信日:2020年12月18日 Netflixで配信開始
本編尺:1時間34分
監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:チャドウィック・ボーズマンヴィオラ・デイヴィス、グリン・ターマン
ジャンル:音楽、ドラマ

<予告編>
 

あらすじ

1927年。シカゴの録音スタジオで、人気歌手マ・レイニーのレコーディングが始まろうとしていた。4人組バックバンドのひとりであるトランペット奏者レヴィーは野心に燃え、他のメンバーたちと揉め事を起こす。やがて遅れて到着したマ・レイニーは白人のプロデューサーらと主導権を巡って激しく対立し、スタジオは緊迫した空気に包まれる…。

 

感想


評価:★★★★☆

戯曲の映画化となる本作は、ほぼスタジオと控え室という密室内の会話劇であり、回想といった手法や直接的な表現で黒人差別を描いてはいない。そういう意味では、90分程度のボリュームということもあり、淡白にも見えなくない。

だが、ブルースの女王としてワガママ放題のヴィオラ・デイヴィスが白人にナメられないように虚勢を張っているようにも見え、また陽気で口八丁手八丁なチャドウィック・ボーズマンが周囲が絶句するほどの過去を背負っていたことが判明するように、白人側もまたビジネスだからワガママに付き合っているものの、心の奥底での互いにファイティングポーズをとりつづけている緊張感がある。

だからこそ、新曲の売り込みを反故にされたことで引き起こる突然の悲劇が、暴力という形で表層化するショックは大きくなる。会話劇ではあるが決して説明的ではなく、その一刺しにすべてを収斂させたソリッドな演出は品がある。

 

 

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