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Netflixオリジナル映画『ラブ&モンスターズ』感想(ネタバレあり)〜炎症、化膿、粘着質…。モンスターたちの造形が最高!〜

Netflixオリジナルの新作映画『ラブ&モンスターズ』ネタバレを含めた感想です。炎症、化膿、粘着質…。化学物質によって巨大化した人食いモンスターたちの造形が最高!

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<作品情報>

原題:Love and Monsters
製作年:2020年
製作国:アメリ
日本配信日:2021年4月14日よりNetflixで配信開始
本編尺:1時間49分
監督:マイケル・マシューズ
出演:ディラン・オブライエンジェシカ・ヘンウィック、マイケル・ルーカー
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー

<予告編>
 

あらすじ


小惑星・アガサ616が地球に衝突する危機を回避するためミサイルで撃ち落としたが、化学物質が地球に飛散。人間を食べるモンスターと化した生物に世界が支配されてから7年。元恋人・エイミーとの再会を決意した頼りない青年ジョエルは、安全な地下での暮らしを捨て、危険な外の世界を突き進む。

道中で様々なモンスターと退治しながらも、飼い主を探す犬や、2人の生存者の助けも借りながら、なんとかエイミーが避難するコロニーに到着。だが彼女はジョエルと離れていた7年間で別の愛する男性を亡くす経験を経て、心は既にジョエルから遠ざかっていた。惚れ直してハッピーエンドになることを期待していたジョエルはショックを受ける。

一方、エイミーのいるコロニーの住民は「船長」と呼ばれる男に先導され、海に避難しようとする。だが、彼は住民の物資を奪い、巨大なカニの怪物を操って住民を食わせようとしていた。そんな陰謀に気づいたジョエルは勇気を持って立ち向かい、船長たちを返り討ちにする。

ジョエルは自分の居場所が7年間いたコロニーだと悟り、エイミーにモンスターの特徴や倒し方を記した図鑑を渡し、もとにいた場所に戻ろうと再び外の世界に飛び出す。果たして刺激的で美しい世界は人間のもとに戻ってくるのだろうか…。

 

感想


評価:★★★★☆

ヘタレ青年がディストピアSF的な設定の説明モノローグから始まり、同じモノローグでも世界のコロニーの住人に「僕ができたんだから皆もできるはず」とメッセージを拡散する対照的な幕引き。あるいは片思いを原動力に彼女のもとへ勇気を持って向かい、失恋を経て、もと来た道を引き返す。行って帰ってくるシンプルなロードムービーを軸に、きちんとした構成が力強い成長譚を物語っていく。

本作の最大の魅力はモンスターたちの造形だろう。ポール・ヴァーホーヴェンのカルト作『スターシップ・トゥルーパーズ』の虫軍団を彷彿とさせる巨大化した生き物たち。カエル、巣穴 の芋虫、かたつむり、ムカデ、女王蜂、サンドコブラカニと暴れまわり、モンスター映画として単純に楽しい。

サイズをただ単に大きくしただけでなく、化学物質によって炎症を引き起こし、化膿した皮膚から粘着質な液体が滴り落ちている一手間が加えられている点も気持ち悪くて最高。おまけに、『ミッドナイト・スカイ』『ムーラン』『ゴリラのアイヴァン』『TENET テネット』と並んで本年度アカデミー賞視覚効果部門にノミネートされたのだから快挙だ。