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Netflix映画『ひとつの太陽』感想(ネタバレあり)〜陽の光を遮るような場所を持っているか〜

Netflixオリジナル映画『ひとつの太陽』ネタバレを含めた感想です。中盤に待ち受けるショッキングな展開を受けて、取り残された家族の関係性はどう変化するのか。見応えたっぷりのファミリードラマです。

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<作品情報>

原題:陽光普照 A Sun
製作年:2019年
製作国:台湾
日本配信日:2020年1月24日 Netflixで配信開始
本編尺:2時間36分
監督:チョン・ホンモン
出演:ウー・ジェンホー、チェン・イーウェン、コー・シューチン
ジャンル:ドラマ

 

あらすじ


チェン家の次男アーフーが事件を起こし、少年院に送られた。自動車教習所の教官である父アーウェンは問題児のアーフーを完全に見放し、医大を目指す優秀な長男アーハオに期待を寄せる。母はどちらの息子にも同様に愛情を注いでおり、夫婦の間には諍いが絶えない。ある日、アーフーの子を妊娠したという15歳の少女シャオユーがチェン家を訪れる。さらに追い打ちをかけるように、突然の悲劇が家族に降りかかる。

 

感想


評価:★★★★☆

出来損ないの次男を見捨てた父親と、刑務所に入れられた後に人生をやり直そうとする次男の確執と歩み寄りを軸にした家族の物語は、この二人の距離感によって展開が大きく転がっていくのが面白い。

太陽は全ての人に平等だが、陽の光を遮るような場所を持っているかどうか。日陰を歩むような人生を送る次男と対照的に、一見すると日向を歩んでいる長男の優等生的な人生も過度な期待とプレッシャーを一身に背負い逃げ場がない。

作劇的にも大きな転調となる長男の物語からの退場は、家族で最も問題を抱えていなさそうだと思い込んでいただけに、そのサインを見逃していたのかと、残された家族と同様に観客をも動揺の底に落とされる。

特に音楽がセンチメンタルすぎる印象を受けるが、青や赤を基調としたナイトシーンなど絵作りも美しく、父親がもう1人の息子の人生のために自分の手を汚す不器用な愛情が静かな感動を生む力作である。

 

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